ボジョレー・ヌーヴォー2016
今年も2016年ボジョレー・ヌーヴォーが、11月の第3木曜日となる本日17日に、世界一斉に解禁になりました。
赤ワインのブドウ品種としては最も収穫が早く、フレッシュな酸味や果実味が豊富なガメイ種はその年の仕上がりを試す好条件が揃っているために、ヌーヴォー(新酒)としてあえて熟成させずに出荷するのが、ボジョレ・ヌーヴォーです。
解禁日を設けているのは、消費者が早く飲みたがり、他に先駆けて早く出荷する生産者が増えたため、正常な品質を維持するために規制が設けられたのです。
白ワインではイタリアなどの南の方で早く解禁されるものありますが、おそらく甘口でない赤ワインではボジョレーが世界で最も早い出荷となるので、今年の葡萄の出来を占い、さらに収穫を祝うという意味も込めて人気が出たのだと思います。

2016年のボジョレー地区は、春から6月にかけて例年になく雨が多く、気温が低かったためにブドウの成熟が遅れ、非常に心配されました。
そして7月は雨と晴天が拮抗し、カビも多く発生したために生産者の努力によってこの後の品質に大きく差が出ることになります。
8月、大切の色付きの月、美しい晴天と高気温が続き、感想と降り注ぐ日差しに励まされて、7月に手入れをされたブドウの実は満足な成熟を遂げることができました。
収穫量は例年よりかなり低くなりましたが、エレガントな芳香を持つ、繊細なワインになったようです。

鶏や鴨の串焼きだけでなく、ポークを使った創作串焼にも抜群の相性の今年のボジョレー・ヌーヴォーをぜひ楽しんでください。
そんな今年のラインナップは。
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アルベール・ビショー ボジョレー・ヌーヴォー2016
120mlグラス570円 フルボトル3300円(以下価格は全て税抜き)
1831年設立のブルゴーニュの歴史あるメゾン。エレガントでフルーティ。ボジョレー・ヌーヴォらしく、軽やかでフレッシュで非常に飲みやすい味わいです。
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ドメーヌ・アラン・シャンバール ボジョレー・ヌーヴォー2016 ヴィエイユ・ヴィーニュ
 120mlグラス620円 フルボトル3500円
南向き急斜面の畑に育つ、平均樹齢60年のブドウを全て手摘みで収穫し、天然酵母で醗酵。
ボジョレーらしい非常にフルーティーな芳香と凝縮感のあるたっぷりとした果実味の力強い味わい。
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ドメーヌ・デュブレ ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴーォ2016 ヴィーニュ・ド・1940
120mlグラス650円 フルボトル3750円
ボジョレー地区で最高権威のコンクール「トロフィー・インターナショナル」で金賞受賞蔵。
南向き急斜面の1940年に植えられた古木のブドウを使用した、豊満で凝縮感のある果実味とミネラル感のある味わい。
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ドメーヌ・ド・グラン・ギャラン ボジョレー・ヴィラージュ・ヌーヴォー2016 ヴィエイユ・ヴィーニュ
120mlグラス650円 フルボトル3750円
ワインチャレンジ・インターナショナルでグランプリ受賞蔵。
樹齢は60年以上の古木。プラムなどの複雑な香りと凝縮感のあるクリーミーな味わい。ビロードのような独特の舌触り。
|09:11:19|ワイン | comment(0) | trackback(0)
ボンヌ・マール2004 ドメーヌ・ルイ・ジャド
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ボンヌ・マール2004 ドメーヌ・ルイ・ジャド。
ボージョレからグラン・クリュまで数多くのワインを手がける、歴史のあるブルゴーニュの有名なドメーヌ&ネゴシアン。
DRCやルロア、アルマン・ルソーのようにメディアが過大評価するために、価格が異常に急騰した造り手ではなく、どちらかというと昔からのブルゴーニュファンがじっくりとセラーで寝かしてから楽しむといったタイプの造り手です。

ルイ・ジャドといえば2012年に実践から引退したジャック・ラルディエールの存在で、1970年から最高醸造責任者としてジャドの指揮を取っていました。
ルイ・ジャドのドメーヌものは、ラベルに表記していませんが初期の頃から自然農法を実践して、表土は常に馬で耕作をしています。
100%除梗を行ない、低温浸漬は基本的には行わす、発酵温度もブドウが求めるままに管理せず、ルモンタージュも行わず、ごくごく自然にブドウのポテンシャルに任せてゆっくりと時間をかけて発酵、醸造を行います。
オーク新樽比率は最大で50%程度と、人気ワインのように無理に新樽の風味をつけることもしません。

ワインとはブドウが育つ土壌のエネルギーの表現であり、醸造とは持ち合わせているエネルギーをいかに最大限引き出せるかと考え、自然体にまかせる醸造スタイルは一歩間違えるとかなりのリスクを孕むはずですが、ルイ・ジャドのワインはヴィンテージに左右されることなく常に非凡庸なワインに仕上がっていると僕は思っています。
そして、上質なブルゴーニュは絶対に熟成させてから飲むものであるとジャック・ラルディエールは考え、早い時期から飲み易くするような市場や評論家に媚びたようなワインには絶対に仕上げません。

そして04のボンヌ・マール。
ジャドのボンヌ・マールには、ドメーヌものと葡萄を買い付けるネゴシアンものがありますが、これはラベルの一番下を見れば書いてありますが、自社で栽培を手がけたドメーヌもの。
外観は中庸なルビー系で、粘性は十分に高く凝縮感があります。
野性的で熟成からくるなめし革のニュアンスがまず前面に現れて、徐々に華やかな完熟したダークチェリーやイチゴの甘露な果実味が強く広がります。
全体として要素が非常に凝縮しており、十分なミネラル感もあり酸、味もタンニンもきりっと引き締まっています。
強靱なパワフルさを感じる巨大なストラクチャーを持っており、余韻はシャンベルタンに匹敵するような長さが続きます。
初めてのボンヌ・マールでしたが、ミュジニーの魅惑的で華やかな香りと隣のクロ・ド・ラ・ロシュやシャンベルタンにも匹敵する強靭さを持ち合わせたスタイルに、驚きとともに深く感動してしまいました。
これも、ジャック・ラルディエールの並はずれた理解力からくる、テロワールの本質を引き出す醸造テクニックによるもなのでしょう。

ジャック・ラルディエールは語ります。
「ブルゴーニュの土壌の断面をみると、第二紀(中生代)の地層の上に第三紀(約6500万年~200万年前)が形成されていて、地殻変動によってできた裂け目からエネルギーが噴出しています。岩と岩がこすれると電気がおこり、その熱によって土中のバクテリアや菌類が母岩を分解してミネラルを引き出します。」
「すなわち、地中からのエネルギーやミネラルの放出の強い場所がブルゴーニュでグラン・クリュと呼ばれる場所であり、そこから離れれば離れるほどエネルギーは弱まっていく。」

さらに、「ブルゴーニュの場合、エネルギーが噴出するところは、葡萄だけでなく他の植物にとっても最高の場所であり、多くの場合そこには教会も建っています。
地中のエネルギーと天体のエネルギーが合体するのがその地点で、それらが重なると素晴らしい結果が生まれ、そこで作られたものを飲んだり食べたりすることで、体内に優れたエネルギーを取り込むことができます。
体のメカニズムとして取り込まれたものは消化されますが、この時、不純物は浄化され、ピュアなものだけが吸収されます。それを“ポリマー化”と表現します。」

ジャック・ラルディエールは、すべての物質に目に見えないけれど確かに影響を与えているエネルギーの存在を理解できる、数少ない一人なのでしょう。
|09:32:37|ワイン | comment(0) | trackback(0)
シャンボール・ミュジニ 1erレ・クラ 2003 ジョルジュ・ルーミエ
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シャンボール・ミュジニ 1erレ・クラ 2003 ジョルジュ・ルーミエ

以前に出たとても希少なワイン。
ジョルジュ・ルーミエはブルゴーニュで最も人気のある造り手の一人で、マニアの間では垂涎のワインです。
この造り手の、このワインと同じシャンボール村にある特級「ミュジニ」の市場価格は、ヴィンテージによっては30万円を超えることもあります。
ワイン1本でこの価格はどう考えても普通ではありません。味わいに価格に見合うような大きな違いがあるわけではないので、冷静に考えれば明らかにその価値があるとは思えないのに、このようにいくつかの有名で希少なワインだけが非常識に価格が上がってしまいました。

資本主義の競争原理に拍車をかけるように行った世界規模の金融緩和により、経済の本質である需要と供給のバランスではなく金融だけが意味なくバブルのように膨らみ、モノの価値ではなく貨幣の流通量が増えたために偏ったインフレが発生し、インターネットの普及により情報ばかりが極端に広がることで、多くの人が求める知名度が高く、かつ供給が限られている一部の商品の価格だけが異常に上昇しました。

日銀やFRB、欧州中央銀行などが金融緩和策により市場に潤沢な資金を供給し、ヘッジファンドやレバレッジなどの金融システムにより市場の貨幣の流通を膨らましてきましたが、今年に入ってからの円高と日本の株価下落が示すように、いよいよその経済成長システムに限界が来たのかもしれません。
景気後退の顕著な指数である資源価格の下落と、経済成長の担保となる土地価格の上昇に陰りが見え始めたからです。
アベノミクスで一時期的に株価が上昇し景気が回復したかに見えましたが、日本の実際の経済の本質である需要が回復したわけではないので、どんなに金融緩和を続けても円高になるのはそのせいです。
そしていよいよ近年の経済を引っ張ってきた中国の実態の悪さを隠すことが出来なくなったことで、今後の世界経済が今までのように上昇しなくなるのは明確な事実です。
やりすぎた金融緩和のせいで金融システムが健全に機能しなくなった以上、今後どんな魅力のある商品を送り出しても利益を生み出す前に商品は売れなくなります。
経済を必要以上に膨張させる力が無くなってしまったからです。

今後、さらなるスマホによるインターネットの普及により、人間が生きる上で不必要なモノは溢れるばかりで、売れるものと売れないものとの格差はさらに広がり、マスメディアが価値を過大評価するものだけが需要が残るのでしょう。
ワインの価格も同じように、味の差以上にさらに価格の差は広がり続けるのかもしれません。
そんな時代だからこそ僕は、表面的な部分だけが評価されるような価値観に流されることなく、価格に見合ったワインとして本当の価値のある、大地のエネルギーをしっかりと反映したワインを選びたいと思っています。
(このワインは現在メニューにありません)
|10:16:40|ワイン | comment(0) | trackback(0)
シャンベルタン・キュヴェ・エリティエ・ラトゥール
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フランス、ブルゴーニュで最も有名なシャンベルタン。ナポレオンも愛したという逸話が有名なワインです。
シャンベルタン・キュヴェ・エリティエ・ラトゥール1997。
造り手は大手ネゴシアンのルイ・ラトゥールですが、「ルイ・ラトゥールによって受け継がれ続けるキュヴェ」という名前からもわかるように、畑仕事から携わる完全なドメーヌ品です。

自分では、あまりこういう高価なワインを開けることはほとんどないのですが、久しぶりにワイン会の仲間が集まり、いろいろと飲み比べた中の一つです。
力強さで有名な数あるシャンベルタンの中でも珍しく繊細で色の薄いタイプ。
ですが、上品なスミレの香りの中に秘めている実力は、色調とは反対の重みのある複雑なメッセージをたくさん詰め込んだ味わいと、非常に好印象の余韻が果てしなく長く続きました。

ルイ・ラトゥールはコルトン・シャルルマーニュの生みの親としても有名な白ワインのスペシャリストですが、造り出す赤ワインも白ワインとタイプが似て、たっぷりと抽出する濃厚な果実味とは真逆の、繊細で控えめなワインが多い造り手です。
一般的に3週間ほどかけるマセラシオンも10日間と短く、ブドウが本来持っている味わいを自然に溢れ出すのを待つ、控えめな醸造方法で作られます。
そのために一見すると味わいの薄いワインと思われがちですが、ゆっくりと味わうとその奥に秘めている、本当の実力とその奥深さが徐々に訴えてくるのがわかります。

特に近年のワインの専門家に多い、香りや一口目だけのファーストイメージだけで評価する傾向。
その傾向とは全く逆の、実力をあえてわかりにくくするようなワインに、僕はとても惹かれます。
そしてワイン評論家のつける点数でワインの人気に大きな差が出るようになってしまい、時間をかけてじっくりと味合わないとわかりにくいタイプのワインは必然的に点数が低く、人気が低迷しているのが実情です。
確かに人気のない分、ありがたいことに安く買うことができるのですが。

実はこのワイン1966年ヴィンテージは、1976年のアメリカ独立200年記念の式典に呼ばれた当時のフランス大統領が持参したもので、近年と違い、その当時のフランスでこのワインの評価が相当と高かったのがわかると思います。
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このようにメディアの発信力や、万人に対するわかりやすさやランキングなどの人気だけで評価が決まる世の中だからこそ、中身のないアベノミクスが評価されたり、目に見える評価だけに振り回されたりして自分独自の価値観が蔑にされていくのでしょう。
表面だけで価値を図る世の中は本質が失われ、最終的に感情を満たすという目的以外なくなっていくのかもしれません。
(現在メーニューにあるヴィンテージは2000年です)
|10:05:19|ワイン | comment(0) | trackback(0)
シャトー・カンボン・ラ・プルーズ2007
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おすすめワイン。シャトー・カンボン・ラ・プルーズ2007。
フルボトルで3950円税抜きです。

フランス、ボルドーのオー・メドックにあるシャトー・カンボン・ラ・プルーズはメドック5級カントメルルと同3級ジスクールに挟まれた恵まれた立地にあります。
小高い丘に位置する砂利質土壌の畑は、オーナーのマリー氏が某有名食品会社役員の座を捨ててまで手に入れたと言われています。
この畑に心底魅せられたマリー氏は、多額の資金をつぎ込んで大規模な改革を実施、発酵所や醸造設備も一新しました。

そして、シャトー・カンボン・ラ・プルーズは、雑誌『リアルワインガイド』でも左岸ボルドーの中でも最強のコストパフォーマンスを誇るのではないかとコメントされるほど、評価の高いワインのようです。

新樽の風味が豊富で、肉づきが良く、ボルドーらしいしっかりとした果実味とタンニンのある、享楽的なスタイルの楽しいワインです。
ぜひ、お試しください。
|09:51:44|ワイン | comment(0) | trackback(0)