2011.10.31 Mon

世の中はTPPの推進派と慎重派に分かれ対立を激しく繰り広げていますが、どうやら野田さんは参加を表明する流れになったようです。
経済や豊かさだけを重視するメディアの中には、もはやTPPに参加しなければ日本は終わるような書き方をしているところも見受けられます。
第2次大戦のときの南太平洋や東アジアへの日本軍の進出のときも、メディアは同じように書きました。
エネルギーのない日本は欧米の列強のように植民地を広げる以外生き残れないかのように報道し、国民を騙し、戦争に参加させました。
原発を造ることにより膨大な利益を得ることができる政治家や関係者たちも、学者や評論家やマスメディアを利用して、実際は温暖化の原因が人間が排出する二酸化炭素だけでなく、ヒートアイランド現象や太陽の活動に要ることだったとしても、地球の温暖化の原因は二酸化炭素の排出だけであると洗脳して、クリーンでエコな原発をたくさん造ることに成功しました。
今回のTPPへの参加に関しても、問題の本質ではなく単純な損得だけの議論に偏り始め、長期的な日本の未来への視点が忘れ去られようとしています。
確かにTPP参加によって関税が撤廃され、規制が緩和されることにより経済がある程度活性化する可能性はあります。特に若い世代の興味のあるサブカルチャーなどの分野において、雇用が増え、収入も上がるかもしれません。
それが日本の未来にとっての利益につながる事は多くの人が認めることだと思います。
しかし世界の人口が70億人の超えた今、今後問題になるのは間違いなく食料とエネルギー不足だと思います。
今貧困の国が、経済成長により少しでも先進国に近い豊かな暮らしをするだけで、もはや地球上の農作物や家畜では賄いきれないのは周知の事実です。
韓国はアメリカとのFTA提携により事実上、養豚などの酪農業は廃業に追い込まれることを予測しています。
日本もおそらくTPP参加により酪農や米の生産者はかなりの数が廃業になるでしょう。
特に効率の悪い、昔からの伝統的な方法を守ってきた業者や手間のかかる有機栽培の農家などは生き残るのは難しいと思います。
そして安いコメや農作物が大量に入ることにより食料の自給率は大幅に悪化することになり、いざ世界中で冷害などにより食料が不足した時には、すでに国内の生産者がほとんどなくなっている可能性もあります。
そして、日本人が未来に残さなければならない日本の本物の伝統的な産業が消えてしまうことが、僕は一番心配です。
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