偽装問題の本質
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昨日に続き食品偽装問題の広がりについて。
実際に、多くの飲食店が掲げているようなブランド野菜や有機野菜が、本当に市場に出回っているケースはほとんどありません。
生産者が限られていて、毎日収穫することができない旬がある野菜などは、非常に品薄なものがほとんどで、毎日のメニューにすることなどほとんど不可能です。

当店でも実際に京野菜を京都から取り寄せていましたが、生産者が極少なく、送料を考えると採算が取れるロットて仕入れることは、ほとんど不可能だということがわかりました。
原木椎茸に関しては、かなり幅広く探してやっと岐阜県の生産者から通年通して、納得のいく品質のものを送っていただけることができるようになりました。

この問題の本質は飲食店だけでなく生産者やメディアにもあります。
生産者に関しては、作る野菜にブランドや付加価値をつけることで、利益を上げ、受注を増やすことができるからです。
鎌倉野菜などは、実際は大船や横浜の小規模農家が造る希少性のある洋野菜が、たまたま近年増えた鎌倉のフレンチやイタリアンなどに需要があり、それをテレビや情報誌などが特別な野菜としてこぞって取り上げ、農協なども一緒になり勝手にブランド化しただけのものです。
決して、京野菜や加賀野菜のように日本古来の伝統品種による野菜ではありません。
鎌倉というブランドを利用した、単なる情報戦略です。

ただそのような状況があまりにも普及したため、飲食店などは普通の旬の野菜だけの料理では他店と競争できなくなり、現在のようにほとんどの店が特別な食材を使った料理と謳うようになったのだと思います。

本来、野菜にはブランドよりも品質や旬、味が最も重要であるはずで、消費者の味覚の方もそれを見極める力がなくなったのかもしれません。
この問題の本質は、消費者の料理にお金を払う意味が味や栄養ではなく、料理の盛り付けの美しやさや食材やシェフのブランド名、そしてボリュームと安さになり、飲食店もそれを提供できなければ生き残れなくなったことが最大の原因なのでしょう。
|10:09:20|政治、経済 | comment(0) | trackback(0)