未来のないTPP

年内の合意が難しくなり、年をまたいで交渉が進むTPP。
米議会のねじれが解消され、共和党が過半数を越えたことで、TPP交渉は流れが多少日本に有利になるのかもしれません。
しかしTPP合意を目指し現在検討されてる政策は、大規模な生産者だけに減反補助金を維持し、小規模農家を事実上撤退させ、農業全体の生産性を高めながら高効率化を進め、世界的競争力を高めようとするものです。
その反面、日本独自の小規模農家による、伝統的な農法や有機栽培による個性的な農産物も、非効率性のためにほとんど生産されることがなくなり、グローバルな大量生産された野菜だけが市場に残るようになるのでしょう。

今やアベノミクスが進めようとしているグローバル化は、経済の世界競争の中で生き残る唯一の方法のように言われるようになってきました。
しかし、大企業の最先端だけが儲かるグローバル化は、最終的に99%の貧者を生み出す格差社会にしか向かいません。

戦後、日本人は勤勉さと手先の器用さにより、製造業が急成長し輸出大国になったことで為替が円高になり、その恩恵により輸入品が安く入ってくることで生活が豊かになりました。
その反面、農業や漁業などの一次産業は関税により守る必要が生まれました。
守らなければ一次産業は衰退し、食料自供率は減少し続け、戦争や世界情勢、環境異変により輸入が滞った場合、国民の中の貧者は間違いなく飢え死にすることになるからです。

TPP参加国の中でも米国、オーストラリア、カナダ、メキシコなどは、日本とは違い農産物の輸出により経済を維持している国たちです。
少し考えればわかることですが、もし日本が関税を撤廃するような自由貿易をするべき国が必要ならば、それは間違っても日本の一次産業に悪影響を与える広大な大地を持つ農産物輸出国ではなく、似たような産業構造を持つ島国の方が、伝統や文化を守る意味でも適しているはずです。
産業構造がかけ離れている国との自由貿易は、多少の輸出増はあっても、経済指標以上に国民生活に本質的な悪影響を及ぼすことが、今の政府はまったく理解できてないようです。

今回のTPP参加は、あくまでも安倍首相が始めたアベノミクスによる一時期的な経済最優先政策の一部であり、その政策を選挙で支持した日本人は、この先、未来の子どもたちに大きなツケと本質的な危機を残すことになることは間違いないでしょう
|09:50:11|政治、経済 | comment(0) | trackback(0)
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